わたしはいつだったか、親友のミーサにこうこぼしていた。

「新しい本（水平思考）ができたらさー“ぼく先編集会議”みたいな会をやりたいんだよねー、本を売ってくれているひとや読者さまを呼んで」

本を作るのはいいのだけど、先々はどうするのだろう。

頒布拡大も、原料費が上がり続けるなかで制作費を作るのも、近いうち頭打ちになる日が来るのではないか。

ひとりでは太刀打ちできぬ。お人の知識にあやかり、制作の道をみずから開く知恵を付けたいと、うっすら夢想していた。

６月２３日にトークライブを企画し、個人出版同人とお話をした。

「個人で本を作るってどうやるの？」をテーマに話し始めたが、わたしという個人と作品の複雑な幾何学模様を読み解き、わたしの活動がどうなっていくのかという話題に多くの時間を割いてしまった。お客さまも交えてアドバイスをいただく流れとなり、妄想していた “ぼく先編集会議”が図らずとも実現してしまったのである。

トークお相手の「十七時退勤社」笠井氏、橋本氏にはまだまだお聞きしたいことが沢山あったのに。

笠井さんの個人的漫画史、橋本さんがいつか持ちたい「場」とはー。

口を開き、脳からカオスが飛び出たことで、わたしは身体の不調が改善された。ずっと悩まされている首こりが軽減したのだ。

しかし集まってくださったみなさんは疲れただろう。ゴブリンを手渡されたようなものだ。エドワード・ゴーリーの絵の端にいる阿修羅のようなトカゲがみんなのところへお邪魔していないだろうか。せめてみんなの暮らしを護るヤモリであってくれ。

これまでお会いしたすべてのひとが、わたしの編集者であり、いつもみなさんから創作のヒントをもらっていると、真心からお伝えします。ありがとう。またお会いしたいです。エネルギー溜めといてください。

最後に、会場を切り盛りするサクラdeブックス佐藤さん親子に大いに感謝いたします。

店主さまセレクトの美しい絵本や棚主さまの個性的なコーナー、古書も魅力的な品揃えです。

今週末まで木村さくらの漫画原稿展示とぼくと先輩のピックアップは続きます。

どうぞ佐倉へ、本を買いに来て下さい。

「木村さくら ぼくと先輩 フェア」

千葉県佐倉市サクラdeブックス
Ｘアカウント @sakura_de_books

開催日時
2024年6月6日(木)～6月30日(日)
火・水／10:30～16:00
金・土・日／10:30～17:30
＊店休日／月・木

木村さくら在店日
6/30(日)