2024/03/15 13:21

こんにちは、ブログを読んでくださるみなさま。


今「ぼくと先輩」は印刷所に入っています。
入稿後一週間で表紙の色校正(印刷を確認して本番にGOを出す見本)を見せていただけるので、またまた新小川町の八紘美術へお邪魔してきました。


いただいたのは何やら想像よりも青々とした色で上がってきた校正刷り。
どうやら打合せ時に指定させていただいたPANTONE色見本が「日焼け」していたのが原因でした。


色番号で再現された「正しい青」はさわやかで美しいが、
わたしが「これ」と言って決定した「青」とは似て非なるもの。
結局、光劣化により変色したピースを見本にして希望を再現していただくことになり、最終確認は来週へ持ち越しに。


この流れはトラブルではなくて。わたしはただ、ああ、なんて面白い、光栄だ、と思いました。
感覚の追求を、仕事として、人と関わって出来るのです。
 

印刷所を辞去し飯田橋駅へ向かう途中「ArtBook」を掲げる古書店を見つけました。
軒先にセールの本棚が出ています。画集、素描集など。
現在わたしの目に入ってくるのはやはり「青の背を持つ本」。
そして、じぶんの心に在る「青」とは「古びた、色褪せた青」だと気付きました。
光に風に湿気にさらされた、紙に印刷され本の形をした青。
同時にそれは自然界の青に近いのだとも。
見る者によってイメージが異なる色です。

 
わたしは本を作るひとの元に生まれ、本に囲まれて育ち、
自然の記憶を肉体に染みこませて生きてきました80年代の世田谷なので森林田畑、川、泉、虫、鳥まみれです)。


みなさんの記憶にある過去の色合いはどんな調子でしょうか。思いだすとどのような心地になるかしら。
 
過去の記憶を引っぱり出し、未来に憧れ(恋し)、すべて「今」の選択をしていく。
「ぼくと先輩」今巻タイトル「水平思考」はまさに、わたしの仕事全体のスローガンのよう。
相変わらず、あなたに届いたらいいなと思いますし、先にお話した「あなたの感覚」、そこへ心地よく触れるものであれたら幸いです。
 

「ぼくと先輩 水平思考」
202447日発売予定です。
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木村さくら