2024/01/13 16:04

みなさま新年おめでとうございます。

みなさまの心身が健康で、夢をいだき、あたたかい思いで前進されることを、切実に願っています。

わたしの漫画制作はあと約2ヶ月です。
残り少なくなった期間で、どこまでよい仕事ができるか。過去に3,4冊も出版しておきながら、都度迷いと課題に直面してアタフタしています。
ただいま制作中の「ぼくと先輩」新巻は印刷手法はじめ技術的な刷新があり、制作にあたり「イチからの」気持ちで意気込んでおります。

心の変化は現実の変化です。

これまで主人公たちの発言は「肉体の一部」と考え、
字も絵と同様手書きしてきました。
しかし今巻収録の一番ながいお話には、フォントで「せりふ」を当てるのがふさわしいと感じました。
それは話の内容が要因か、あくまで画面のバランスか。
はたまた制作者(わたし)の作業効率化か、読者への配慮か。

こういった分岐点に在るとき、わたしはわたしの主人公たち(近場くんと遠久野さん)と脳内会議をします。
じぶんの真意を見つけ、納得して、実行と試行錯誤の段階へ進みます。


さて、ここからはお笑い漫画道場ですよ。
みなさまは漫画のフォントに着目したことがありますか。

PCに取りこんだ「ぼく先」原稿にわたし好みの文字をタイプしてみたところ、あれ?なんかおかしい。
これは「喋ってる」感じが出ないぞ。なぜにだ…と、
手近にあった漫画本を開いてまじまじと見る。
OMG、漫画のフォントってのは、じつに独特だ!

漢字は「ゴシック体」、平仮名は太めの「明朝体」の混合じゃないか!
これにより漫画世界の臨場感、肉感、没入が生まれているんだァ…!!
(手に取った本が三浦建太郎先生の「ギガントマキア」だったので感動過多にさけぶ)

わたしはすぐさま「ゴシック」「明朝」を打ち別けてふきだしの中を構成。
ひとまずは安堵しすぐさまハッと気がつく。
この世にはきっと、漫画用フリーフォントってもんがあるんじゃないか…?

ええ、大ありでしたのよ
「源暎アンチック体」なるものが!
速攻DL!タイプタイプ!
うっわ美しい。
うんうん、ちゃんと喋ってる…
近場くんの性格も、遠久野さんのちょっと変わった声も、これなら聞こえる。



著者が一瞬「字オタ」みたいになって遠回りの末、
8割の文字がフォントとなった「ぼく先」爆誕間近。

1月15日からは最後の工程、水墨へと進みます。

木村さくら



「源暎アンチック体」
開発元おこねやさんのページからダウンロードできます。
リンクフリーとのことで貼りつけさせていただきました。